変化するインド株式市場
- インド株式市場を、既存企業、新規投資可能企業、最近の上場企業に区分し、ファクター別、テーマ別および業種別のエクスポージャーパターンを調査しました。
- 既存企業は、主として多国籍企業であり、一般的に収益力が高く、新規企業は国内志向が強い傾向にあります。最近の上場企業は主にデジタルやフィンテック分野に属し、最も高い成長見通しと最も高いバリュエーションを有しています。
- 2020年以降、バイアウト企業やベンチャーキャピタルが支援する企業の価値が大幅に上昇し、新規上場銘柄候補のパイプラインを生み出しています。ベンチャー企業は、最近の上場企業がそうであるように、消費者サービス関連業種に属する傾向が見られます。
弊社は2024年初頭、新型コロナウイルスの世界的感染拡大後に浮上した世界的なパワーシフトの重要な指標として、インド株式市場にに注目しました。2020年以降、MSCI新興国市場投資可能市場指数(IMI)におけるインド株のウェイトが上昇し、2024年6月末には過去最高の20%に達したことでインド株式の保有者は恩恵を受けました。 この4年間に、300社を超える企業がMSCIインドIMIに加わり、多様性が大幅に向上しました。新規組入れ銘柄の業種、テーマ、ファクターは、既存の指数構成銘柄と異なっていることが判明しています。将来的な株式市場の変化を見通すため、今後数年間に上場する可能性のあるプライベート企業のパイプラインについても分析しました。こうした調査結果は、投資家が新興国市場における市場の広がりとウェイトの高まりを評価する上で示唆に富んでいます。



ゾマトやジオ・フィナンシャル・サービスといった新興企業で構成される新規公開株は、決済機能などの金融サービスやレストラン、レジャーなどの消費者サービスに大きく傾斜しています。このグループの企業は、MSCIテーマ別エクスポージャー基準に基づくと、デジタルやフィンテックの事業に最大のエクスポージャーを持ち、インド株の中で最も高いバリュエーションと成長期待を有しています。名前が示すように、このグループはインド株式市場の今後の拡大の多くを担う可能性が高いです[2] 。

今後、特定されたファクター別、テーマ別および業種別のエクスポージャーパターンにどのような変化が生じる可能性があるのでしょうか。事実に基づいた評価を追求するため、MSCIプライベートキャピタル・データ・ユニバースを使用して、新規市場参入候補企業をプロファイリングしました。 インドのプライベート市場は過去10年間に急成長を遂げており、パブリック市場と同等のレベルに達しています。バイアウトファンドやベンチャーキャピタル(VC)ファンドの純資産額(NAV)は、2014年から2023年にかけてそれぞれ4倍と5倍に増加しました。 バイアウトの成長は、大部分がパンデミック後のコミュニケーション・サービスの急拡大によって引き起こされました[3]。対照的に、 2023年末時点のNAVが約400億米ドルであった[4] VCファンドの成長は、主に情報技術、特にソフトウェア産業によるものでした。2020年以前は、VCファンドはこのセクターをアンダーウエイトしていました。時価総額で見ると、情報技術はインドのVC支援企業の4分の1を占めており、上場企業に占める情報技術の構成ウェイトの2倍になっています。 インドの上場株式と比べると、VCは一般消費財・サービスセクター、特にサービスに対するエクスポージャーが大きくなっています[5]。国際的には、VCのセクターエクスポージャーは、情報技術、ヘルスケア、コミュニケーションに傾斜しており、この点でインド市場は際立っています。新規公開企業が堅調に成長し続ければ、VC支援企業にとっては、新規公開やエグジットの機会が増加することになり、心強いシグナルになるものと思われます。


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