マクロ・シナリオズ・イン・フォーカス:下振れリスクを伴う「ソフトランディング」シナリオ
最新の調査によると、エコノミストの多くは、2026年まで景気後退の可能性が低いと考えており、米国経済は引き続きソフトランディングに向かうことが示唆されています1。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今年の利下げが当初3月に予想されていた3回から1回に減る可能性があると示唆しており、これにより金利は長期にわたって高水準で推移する見通しです。
この状況を踏まえ、弊社は最新のマクロおよび市場のデータを反映し、マクロ経済シナリオを更新しました。「ソフトランディング」という基準シナリオでは、米国株式市場の1年期待リターンは前四半期とほぼ同水準で、依然、歴史的低水準にとどまっています。一方で、米国債券の1年期待リターンはわずかに上昇し、株式とのリターン格差がさらに縮小し、歴史的なレンジの上限付近となりました(以下の図表参照)。
下振れリスクが残る
利下げのタイミングや景気の底堅さに対する不透明感が続いていることから、今回の更新では、さまざまな代替シナリオを提示しています。持続的な高金利が米国経済を「ハードランディング」に導く可能性、インフレの定着が「スタグフレーション」を引き起こす可能性、そして人工知能による生産性向上がインフレ圧力を伴わずに成長を促進する可能性などがあります。「ソフトランディング」シナリオでは、グローバル株式と米国の債券と不動産の分散ポートフォリオが3%の利益を上げる可能性がありますが、「ハードランディング」や「インフレ再燃」シナリオの下ではそれぞれ5%または10%の損失を出す可能性があります2。さらに、ソフトランディングに潜む下振れリスクとして、株式市場における(一部の銘柄への)過度な集中と過剰な取引の影響、また長期的には米国の公的債務水準の上昇などが挙げられます。
「ソフトランディング」シナリオ下での米国主要資産クラスの1年期待リターン

今すぐ購読するインサイトをメールで直接お届けします。
日本のファンダメンタルズ強化につながるガバナンスの改善
投資家および規制上の圧力の両方に応える形で、日本企業は最近ガバナンス実践を改善してきた。良好なガバナンス体制が、強固な企業のファンダメンタルズをもたらし、日本株の最近のラリーを支える一因となった可能性はあるだろうか。
日本における企業改革は株主価値を向上させたか?
2022年のESGインデックスのパフォーマンスに影響を与えた複数の要因を分析します。そして、マクロ経済および金融環境がリターンに与えた短期・長期的な影響を検証します。
石油・ガスがリバウンドするも、ESG指数はアウトパフォーム
2021年、石油・ガス銘柄は5年間のパフォーマンス低迷から反発しました。しかし、石油・ガスなどの高炭素排出産業へのウェイトが低い主要MSCI ESGインデックスは、昨年も底堅い推移を見せました。その背景にあるパフォーマンスの要因を分析します。
1 Claire Jones, Martha Muir and Eva Xiao, “US Fed will cut interest rates just once this year, say economists,” Financial Times, June 11, 2024
2 この結果は、MSCIのBarraOne®のモデル相関を使ってショックをポートフォリオに伝播することにより生成されています。MSCIのお客様は、これらのシナリオのBarraOne® およびRiskMetrics® RiskManager® のファイルやショックを想定した表にアクセスできます。
このページのコンテンツは情報提供のみを目的としており、パフォーマンス情報を解釈するために必要な分析リソースとツールを備えた機関投資家向けプロフェッショナルを対象としています。本コンテンツは、いかなる製品、ツール、またはサービスを推奨するものではありません。法律、規則、または規制に関するすべての言及については、情報は「現状のまま」提供されており、法的アドバイスや拘束力のある解釈を構成するものではないことにご注意ください。規制またはポリシー上の要件への対応については、必要に応じて顧問弁護士および/または関連する所轄官庁にご相談ください。

